AHA PEARSプロバイダーコースは、心停止に至る危険な兆候に気付き(認識して)、体系的な評価を迅速に行い、その重症度を判断したうえで早期介入の必要性を決断し、再評価を繰り返して安定化を維持することに努める思考過程とマネージメントを学習する急変対応研修プログラムです。 小児は救命の連鎖に示されているように「心停止の予防」から始まります。そのためには心停止につながる兆候に気付く訓練が必要となります。 このような徴候を「何となくおかしい」という直観的な気づきにとどめず、「どのようにおかしく、どんなトラブルが生命を脅かしているのか」と言語化することで、目的指向性のある蘇生をチーム内で共有でき、上級医療者に状況をわかりやすく伝達できるようになります。
このプログラムでは、患者の初期対応に欠かせない第一印象と一次評価の内容を強調した構成となっており、その観察方法と対処、及び思考過程とチーム蘇生を合理的に身に付けることを主な目的としてトレーニング(座学とシミュレーション)を繰り返します。 呼吸器系及び循環器系にトラブルを生じた小児患者をテーマとして扱いますが、このような思考過程や対処方法は初期対応において普遍的であります。 特に成人においてもAHAガイドライン2015の院内心肺停止患者の救命の連鎖では「患者のモニタリング」から始まるように心停止を未然に防ぐ患者評価や管理を強調しております。
PEARSで学習する内容は成人患者への応用にも無理がない内容となっておりますので、小児医療とは縁遠くても、初期評価や初期対応が必要とされる医療現場に携わる方々の受講を広くお待ちしております。 ※PEASRコースはAHAコースでは珍しく、インストラクターに数通りのコース運営を認めています。このため団体によってはシミュレーションを行わない場合があります。 当会主催のPEARSコースでは体系的な知識を座学で確認頂いた後に、思考過程や臨床決断、チーム蘇生を振り返り内容を整理するためのシミュレーションの時間を設けております。