ACLS EPコースは院外、院内を問わず生じる心血管エマージェンシー等の複雑な緊急事態に際し、適宜介入しながらその原因を特定して心停止を未然に防ぐ対応を行うことで、患者の転帰を改善する方法を学習する目的で設計された急変対応研修プログラムです。 この目的を達成するためAHAがガイドライン2010から提唱したのが拡大型の体系的アプローチ(ACLS EPサーベイ)での評価方法であります。焦点を絞った病歴聴取や「HとT」の鑑別診断、循環の視点からの評価からチームメンバーとともに原因疾患を推論しながら、チームリーダーとしてクリティカルシンキング(批判的思考)を用いた根本治療、代替治療などの対応を相談し、問題が解決できたかを再評価の解釈を考えていきます。救急救命の知識や技術に加えて、チームリーダーとしての態度や思考過程も学んで頂けるように設計されています。
本コースではACLSガイドラインの主要部分をさらに詳しく説明し、批判的思考法と意思決定戦略を奨励することで、心血管系・呼吸器系・代謝性・中毒などの複雑な緊急事態の予後を改善する治療方略を学習します。症例シナリオへの積極的な参加を通して、鑑別診断や心停止前・心停止時・自己心拍再開後の患者への治療スキルを高めます。
座学とシミュレーションでクリティカルシンキング(批判的思考)を用いたリーダーシップやチーム蘇生、臨床推論、鑑別診断、臨床決断などを振り返りながら内容を整理してきます。 蘇生科学や標準蘇生診療を学びたい医療者やクリティカルシンキングを用いたリーダーシップやチームマネージメントを学習したい医療者の受講をお待ちしております。 本コースでは短時間で広範な内容を取り扱う為、事前学習を宜しくお願い申し上げます。
AHA ACLS EP事前事後勉強会
ACLS-EP(エクスペリアンスドプロバイダー)コースはACLSコースを受講された医療者の上位コースとして位置づけられておりますが、内容的には心停止前にどのようなアクションをとり、どのような原因を考え、どのような安定化を図り、どのように行動をすることが適切なのかという思考を鍛える対話形式のトレーニングコースであります。
実際のACLS-EP受講時はACLSコースの実技及び筆記試験を課せられますが、このACLS-EPコース事前事後学習会ではガイドライン2015のテキストに則った心停止前の対応を確認しつつ、毎年更新されるアメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインのアップデートを踏まえた心停止前のRRS(迅速対応チーム)的な視点、心停止時に原因が判明した際の視点(コードチーム)、原因が分かった際の集学的治療の視点(Intensive Careチーム)から、標準的蘇生介入をディスカッションベースで進行していきます。
ACLS-EP受講歴がある方も、今後ACLS-EPの受講を考えている方も、あまりストレスを感じずに学習できる環境を提供する予定でございますので、是非ともご興味を頂けましたら御参加下さい。
対象:最新のACLSプロバイダーコースを受講済みの医療者、かつ今後ACLS-EP受講予定の医療者
【使用テキスト】G2010 ACLS-EP プロバイダーマニュアル日本語版 or G2015 ACLS-EPプロバイダーマニュアル英語版