RRS(Rapid Response System)は、入院患者の病状悪化を早期に気付き、悪化する前に介入することを目的とした、院内患者安全のためのシステム的アプローチです。そのRRSを適切に活用するために、現場で働く医療従事者が、入院患者の変化や悪化にしっかりと気付くためのトレーニングが、RRS起動要素研修コースです。(RRSでMET:Medical Emergency Teamとして呼び出されるチームのトレーニングではありません。)
慈恵医大のRRSコースは、2012年から10年間、日本向けに改訂を重ねてきました。2012年から2024年2月までに、RRS対応要素コース30回(313人)、RRS起動要素研修コース34回(553人)の開催で「RRSを導入してもRRSの件数が増えない」という問題点が判明しました。そこでRRSの担い手をふやしつつ、RRSのコール件数が増えていくための教育コースを日本臨床救急医学会患者安全検討委員会と作成をし本邦に展開しています。(コースの原型は、米国のFirst 5 minutesから改変)
RRS起動要素研修コース 概要
【主 催】日本臨床救急医学会 患者安全検討委員会
【対 象】病棟看護師・RRS対応する医師・看護師・コメディカル
【目 的】RRSの起動を容易にするための研修コース
【内 容】下記より4-5症例を選択3時間程度のハンズオンコース
RRS起動基準によるRRSの起動 フィジカルアセスメント・起動基準
症例1 テーマ 急変兆候の認識
症例2 テーマ 何かおかしいを言語化する
早期警戒スコアによるRRSの起動
症例3 テーマ 重症な徴候を見逃さない
症例4 テーマ 気づきを躊躇せずに発信できる
様々な状況でのRRSの起動
症例5 テーマ 医師との軋轢、有効なチーム間のコミュニケーション
症例6 テーマ 意識障害に対する対応
症例7 テーマ 緊急性の高い徴候を見逃さない
症例8 テーマ 死にゆく患者 → 終末期患者との関わり
症例9 テーマ アナフィラキシーに適切に対応
症例10 テーマ 持続モニタリングされている患者の急変
症例11 テーマ 産科患者の急変
【基本スケジュール】
09:00~12:30 RRS起動要素研修コース
対象 RRSを起動する看護師など病棟スタッフ
目的 RRS起動を容易する方法を病棟スタッフに習得してもらう
方法 シナリオベース
13:30~16:30 RRS起動要素研修指導者コース
対象 RRS起動要素コース修了者
目的 各病院でRRS起動者養成コースを開催する方法を習得する
方法 座学30分+実際のシナリオの指導
【受講料】
起動者コース:日本臨床救急医学会【学会員】7,000円 日本臨床救急医学会【非学会員】9,000円
指導者コース:日本臨床救急医学会【学会員】7,000円 日本臨床救急医学会【非学会員】9,000円
RRS起動要素研修コース+指導者養成コース開催申込み
本学開催の講習会に合わせて、出張講習会も受け付けております。
ご希望の施設がございましたら、代表の方よりお申込みください。
【お申込み】https://ssl.formman.com/t/Hpa7/